COLUMN
皆さんこんにちは。ウメブラスタッフのエルです。
先日、配信技研という団体から「Esports Tiers in Japan 2019」というランキングがでたのをご存知でしょうか。
今回は、その内容について軽く解説しつつ、スマブラSPが他のタイトルと比べてどのような界隈なのかを考察していきます。
普段ストⅤのような格ゲーと比べられることは多いですが、この表に入っているようなFPSやカードゲームをはじめとする他の界隈と比べることは少ないのではないでしょうか。
自分たちが所属している界隈を客観的に見れる1つの指標ともいえますので、興味のある方はぜひ最後まで読んでいってください。
Esports Tiers in Japan 2019
まず最初にEsports Tiers in Japanの定義について説明していきます。
これは日本国内で行われた大会を対象に、過去1年間で視聴された合計時間を独自の方法で計算し、その合計数に応じてTier分けをしたものになります。
ここで重要になるの点は大きく2つあり、その結果多少それぞれが考える盛り上がりのイメージと、Tierのズレがあるものもあると思うので説明します。
1つめは、計算に含まれる大会は日本国内から発信されたものが対象ということです。視聴している人は日本国内に限りません。
2つめは、視聴人数ではなく視聴時間の合計ということです。そのため多くの人が長い時間その大会を見ていたという実績が重要です。
Tierの分け方に関しては推測ですが、いい感じにタイトルが分けられるラインで100M、20M、5Mと切っていると思うので、同Tier内でも差はあると推測されます。
元となった資料は以下の配信技研のページを参照しています。
Tier1とTier2のゲームとスマブラSPの比較
それでは実際にスマブラSPというゲームが様々なゲームの界隈から見て、どのような立ち位置なのかを周りのゲームを見ながら考察していきます。
並んでいるゲームの規模、今回のTierリストで上回っているゲームの規模から、スマブラSPという界隈がどれくらいのものかわかってもらえれば幸いです。
比較対象としてわかりやすいように、まずはTier2のゲームから考察していきます。
Tier2のゲーム
Tier2のゲームをざっと見た印象としては、日本国内においてゲームタイトル自体もすごく有名で、プレイ人口もファンも沢山いて、公式大会も大規模なものがあるものが多いです。
実際ゲーム視聴をある程度したことがある人であれば、1度くらいはTier2のプレイ画面をみたことはあるのではないかというくらいのタイトルが並んでいます。
それではTier1とTier2ではどこで実際に差がついているのでしょうか。
今回のランクをつけるにあたって用いられている指標は、国内で行われた大会の視聴時間の合計です。
そのため、ある程度定期的に、ある程度以上の視聴者数を稼げる大会が行われていることがTier1とTier2の間では大きな壁となって現れているのです。
※実際はモンストという上の条件から外れたタイトルが混じっているのであくまで全体を見た一般論になりますが…
つまりTier2のゲームは、ゲームの規模や人口は多いが、国内における大会の環境がTier1に比べて劣っていると言えるでしょう。
Tier1のゲーム
それではスマブラSPが入っているTier1のゲームについて考察していきましょう。
まずTier1に入っているゲームタイトルは、全て国内においてプロリーグかそれに準じたものが存在します。
※モンストは最近出来ました。スマブラは東西リーグをその扱いにしています。
Tier2のゲームでプロリーグがあるものは、ストⅤとシャドウバースだけのため、定期的にある程度のレベルが確保された大会が開かれるという環境にここで1つ差があります。
またそれぞれのゲームタイトルが、なにかの分野において国内でトップ、または抜けたトップクラスの力を持っています。
実際にそれぞれのタイトルについて簡単に触れてみます。
League of Legend(LoL)
Esports界のトップに君臨しているゲームといっても異論を挟む人はいないでしょう。
実際に配信技研でも、このゲームだけのためにTier0を作るか迷ったと書かれているくらい、Tier1の中においてさらに他のゲームタイトルを引き離した存在だと思います。
簡単に説明すると、国内で1年の約半年はプロリーグが開催されており、同時視聴者数や視聴時間もTier1のタイトルの中で比べてもトップクラスに多いです。
また、そのプロリーグの観戦チケットで金を取って興行が成り立つレベルになっている唯一のゲームであり、そういう意味でも他のゲームタイトルより先んじていると言えるでしょう。
昨今色々なゲームタイトルが、Esportsとして紹介されますが、プレイ人口・ファン・大会・興行まで全てが洗練されているのはLoLだけだと思っています。
RAINBOW SIX|SIEGE
国内におけるFPSという分野において最もポピュラーなゲームです。
ワールドワイドで見ると、Counter Strikeが最も流行っているFPSと言えるかもしれませんが日本国内に限定すると、このタイトルになります。
人気の秘密の1つとしては、PC版だけでなくPS4版にも多くのユーザーが存在し、それによって多くのプレイ人口を確保しています。
こちらも例にもれずプロリーグが存在し、またその視聴時間はLoLには劣るがスマブラSPやPUBGより多いと言えばどれくらい盛り上がっているか想像できるのではないでしょうか。
モンスターストライク
このゲームタイトルだけはTier1の中でも、ある種異質の存在です。
おそらく国内におけるカジュアルなプレイ人口であれば、LoLやスマブラSPを上回る圧倒的な人口であることが予想されます。
そのため今回の集計に、実際にはプロリーグはほぼ影響せず年に数回行われた公式大会だけでTier1に君臨してきました。
現状の日本において、最も多くの層にゲーム性を認知されているゲームといっても過言ではないのではないでしょうか。
PlayerUnknown’s Battlegrounds(PUBG)
スマブラのガチ勢層の間でも一時期ある程度流行っていたということで、割とスマブラプレイヤーの認知度は高いゲームではないでしょうか。
こちらはFPSやTPSという分野というより、Fortniteのようなバトルロワイヤルという新しい分野で日本トップクラスのゲームです。
このゲームにも勿論プロリーグが存在し、上にあげたLoLはRAINBOW SIXには劣りますが定期的にかなりの盛り上がりを見ることができます。
モンストは公式が別格ということで伸び方が別として、割と近いRAINBOW SIXとの差をどこで詰めているかというと、ある程度認知されたユーザー大会があるという点です。
これはある意味スマブラ界隈に近いものがあり、コミュニティが作る大会がそれなりに盛り上がってるため、リーグと合わせてこの位置にいるのがこのゲームになります。
スマブラSP
最後にスマブラSPの紹介となります。
スマブラSPは公式リーグだけだと、おそらく計算するにTier3~Tier2に入れないくらいの規模になります。
これは公式大会のルールが、世界的に流行っているルールと違ったり、他のタイトルに比べて大会の規模が違う等の理由が考えられます。
それではなぜスマブラSPがTier1に入っているのかというと、コミュニティの大会が他のゲームタイトルに比べて圧倒的に多いことがあげられます。
さらにその多くの大会が、視聴するファンに認知されており、しっかりとした視聴数を持っているのも重要です。
平日には関東地方をはじめ様々な地域で平日大会が開催され、闘龍門をはじめとした色々な大会を多くの視聴者が見ています。
また週末には全国各地で何かしらの大会が開催されており、月に1回程度のペースでウメブラのような大きな大会も開催されています。
この圧倒的なコミュニティ大会の力によって、上に挙げたゲームタイトルと視聴時間という点で同じランクまで達しているのはすごいことです。
最近スマブラSPがコンシューマの対戦ゲーム史上最高記録の売上を更新したニュースがありましたが、DXやXの頃と比べて2倍とか3倍の売上になっているわけではありません。
それにも関わらず、DXやXの48人~100人以下の規模から比べて、ウメブラJMでは約20倍、EVOJAPANでは約60倍になっているのはコミュニテイの発展と言えるでしょう。
Tier1ゲームのまとめ
最後にTier1にあるゲームのまとめをしていきます。
まず繰り返しになりますが、LoLはこの中においても圧倒的な存在で、他のゲームとは1ランク上にいるということです。
それ以外のタイトルで比較すると、公式で最も視聴されているのがモンストで、次いでRAINBOW SIX、PUBG、スマブラSPの順になります。
大会の数で比較すると、スマブラSPが圧倒的に多く、次いでPUBG、RAINBOW SIXの順となります。モンストはコミュニティ大会のハードルは高そうです。
アクティブユーザーの数を比較するのはなかなか難しいため今回は割愛しますが、どのゲームも日本国内においてTier2以下の多くのゲームと比べて沢山のユーザーがいます。
実はLoLを除いたTier1の4タイトルの中で比較すると、視聴時間という視点でゲームタイトル間の圧倒的な差はないと考えらます。
上の点で勝っているところがそのゲームタイトルの発展しているところであり、劣っているところが課題という点で見ると色々と見えてくるのではないでしょうか。
※スマブラSPが公式大会を今以上にもっとコミュニティで盛り上げる方向性に持っていけたらよいと考えています。