【寄稿】高画質かつ遅延が最小限に?ブラウン管モニターを使用せず液晶モニターで『スマブラDX』をプレイできる未来がやって来た!メリットやデメリットそして体験可能な大会の紹介。

ゲストライターのMARINE(@smabrosMARINE)です。EVO2018の記事に引き続き、これで4回目の寄稿記事になります。よろしくお願いします。

ところで『大乱闘スマッシュブラザーズDX』(以下『スマブラDX』と略記)の大会には、液晶モニターではなくブラウン管モニターが使用されます。大会や対戦会に参加することのあるプレイヤーにとってはお馴染ですね。

そう、ちょうどこんな感じに。

DarimokoさんのSmugMugより

「『スマブラDX』は2001年11月に発売されたゲームソフトなんだから、モニターも最新の液晶モニターじゃなくてブラウン管モニターを使おうぜ。雰囲気って大事じゃんね」。

 

もちろん、そういうわけではありません。

 

ブラウン管モニターが使用されている背景には、ゲームプレイ時の遅延を避けることができるというしっかりとした理由が。

ただ技術の進歩というのは凄まじく、液晶モニターを使用してもブラウン管モニターとほぼ同じコンディションでプレイすることを可能にするアイテムがアメリカにて開発されたのです。

今回の記事では「GCHD」というそのアイテムとそのメリット・デメリット、試遊可能なイベント、そして『スマブラDX』のゲームイベントの変化について綴っていきます。

GCHDってなに?

Amazonの商品ページより

通常ゲームキューブを液晶モニターでプレイする場合、ゲームキューブ本体と液晶モニターを赤白黄の三色端子で接続します。

これによって、『スマブラDX』上の音声がモニターから流れ、キャラクターたちが画面上に映ることになります。余談ですが、映像出力をつかさどる黄色端子を接続せずにプレイすると画面になにも映らないので即席の暗闇乱闘をすることができます。

GCHD」は三色端子ではなくHDMI接続のためのアイテム。今まで大会で敬遠されてきた液晶モニターが活用される可能性が大きくなってきました。実際にこのアイテムを利用して液晶モニターで『スマブラDX』の大会を開催しているところも出てきています。

GCHDのメリットは?

GCHD」を利用すると得られるメリットは大きくわけて以下の3つ。

 

①液晶モニター利用で発生していた遅延がほとんど感じられなくなる。
②モニター運搬労力を減らすことができる。
③手軽に『スマブラDX』のイベントを開ける可能性が生まれる。

 

それぞれ説明していきましょう。

遅延がほとんど感じられなくなる。

液晶モニターとゲームキューブを三色端子で接続してプレイすると『スマブラDX』プレイヤーを悩ませる問題が発生してしまいます。

この方法だと、コントローラーのボタンを押してから画面上のキャラクターが任意の動作を取る際タイムラグが発生してしまうのです。

タイムラグが大きいとプレイヤーは違和感を抱えたまま対戦することに。

たとえば、ここぞというタイミングで掴みを入力したのに画面上で掴みが発生するまでに時間がかかっていては狙ったタイミングで攻撃を当てることができませんよね。

「GCHD」の画像左側にある黒いアイテムがこの現象を避けるのに活躍するアダプター。

これをゲームキューブ本体の背面に差し込み、本体のデジタル信号をHDMIアダブターを介して、液晶モニターへと出力するのです。加えて音声信号を三色端子から拾って出力するという優れもの。

今月30日(日)に第22回大会が開催される関東最大規模の『スマブラDX』の大会「BattleGateWay」や「スマパ!」そして今月頭に開催された「凱~KACHIDOKI~」などの多くの大会にて配信業に携わっているLukaさんが詳細を教えてくださいました。

*埋め込みツイート内で「鈍器」と呼ばれているものはゲームキューブの本体です。角ばっていて武器にすると痛そうなのでこう呼ばれることがあります。

さて、鈍器ギャグをつぶやいていたクロマキバレットさん主催の「神奈川スマブラ対戦会黒ブラ」(以下「黒ブラ」)にて「GCHD」が実験使用された際のレポートがあります。

こちらでは、低遅延ゲーミングモニターとして有名なBenQのRL2460HTと「GCHD」によってプレイ時の遅延をほとんど感じなかったという報告が。

ゲーム配信をしているストリーマーやWii UやSwitchユーザーで『スマブラDX』をプレイしたい方にもうれしいメリットですね。

モニター運搬の労力が減る。

『スマブラDX』の大会ではブラウン管モニターが使用されていますが、これは会場に備え付けられたものではありません。

ブラウン管モニターが保管されている会場付近の倉庫から大会スタッフや有志のプレイヤーたちが会場まで運搬し設営しています。大会終了後の片づけ撤収も同じ作業が行われています。

大きさや個体差によって違いはありますが、ブラウン管モニターは軽くても10kg近くあります。これをただ持つだけでなく抱えて段差越えたりテーブルに運搬するわけですから、かなりの運動と言えますね。

つまり、ここに割かれる労力やエネルギーが少なくなれば、運営スタッフや縁の下の力持ちをしているプレイヤーは筋トレしてから大会に臨まなくて済むようになるわけです。

筋トレ後の大会運営者のコメント

手軽にイベントが開催されやすくなる。

上記で触れたようにブラウン管モニターで大会設営と撤収をするには大きな労力が必要となります。加えて、そもそもブラウン管モニターは生産が終了しているアイテム。これを手に入れるだけでも少なからず心理的な障壁が存在しています。

たとえば、家電屋さんに足を運んでもブラウン管モニターを手に入れることはできませんし、Amazonで探そうにも生産終了しているという環境上なかなかの高値で中古を購入することにならざるを得ません。

したがって『スマブラDX』プレイヤーはリサイクルショップやメルカリなどのサービスを駆使してブラウン管モニターを手に入れる努力をしています(これはこれで楽しいので視点によっては苦労ではなくなりますが)。

さて、これはあくまで技術的な話にはなりますが、すでに低遅延液晶モニターを持っているプレイヤーや運営は存在しています。むしろブラウン管モニター必須の環境でプレイしている『スマブラDX』コミュニティーの方が珍しい。

仮に彼らの機材状況で『スマブラDX』をプレイしようとした場合、ゲームキューブとソフトそして「GCHD」をそこに組み合わせるだけで大会が開催可能になります。

関東を始め『スマブラDX』の大会を継続的に開いているところの中にはすでにこれらの機材があります。そう遠くない将来、『マリオテニスエース』や『ポッ拳』そして『ARMS』などの最新ソフトの大会と合同イベントが開かれそうです。

GCHDのデメリットは?

普段液晶モニターを使用しているユーザーや、大会運営スタッフや参加者にとってのメリットは上記のように数々ありますが、他方でデメリットも存在しています。

現状挙がっているデメリットは大きく2つ。

 

①アイテムの値段が高価。
②試しプレイをする機会が少ない。

 

それぞれ説明していきましょう。

値段がネックになる場合がある。

「GCHD」は生みだされたばかりの技術ということ、昔のハードのユーザーをターゲットにしているということで、1台あたりの値段設定が高価になっています。

発売元のEonGamingがAmazonで販売していますが、その値段は約16,000円。

ゲーム本体ではなくHDMIアダプタでこの値段と考えると、上記で挙げたメリットを体感していればいるほどこのアイテムに値段相応の価値を見出す傾向になるように感じます。

試しプレイする環境を探す必要がある。

食べ物でいう試食のように、家電屋さんにはゲームの試遊台が設置されています。

モノの性質上、「GCHD」は大型家電製品店で試しにプレイすることができません。値段を考慮に入れると、試遊できるかどうかは大きなポイントになってくるでしょう。

新しい技術ですから、シンプルにこのアイテムを使って『スマブラDX』をプレイしてみたいという欲求も生じてきます。実はこのデメリットを解消するイベントの紹介を下で行っているので、気になる方はそちらも読んでみてくださいね。

実際に使用された大会

「GCHD」を使用した大会は以下の2つです。

 

・「クロブラ」
・Weekly Smash Party!~スマパ!~(以下「スマパ!」と略記)

 

これらの大会にて「GCHD」が導入され始めました。

どこで体験したらいいの? -デメリットを解消しよう-

アメリカで開催された「SHINE2018」という大規模大会では「GCHD」のブースが設置されているなど、アメリカ発のアイテムだけに現地では低遅延・高画質の『スマブラDX』を体験する機会に恵まれています。

同大会に参加した『スマブラDX』プレイヤーのH0Pさんによる現地レポート

このアイテムは1台16,000円程するため、購入するしない以前に日本で体験することができるところをあわせて紹介しておきましょう。上で挙げたデメリットを解消可能です。

現状開催頻度と用意されている「GCHD」の台数の点で、東京は中野駅付近にあるレッドブルの施設で基本的に毎週行われている「スマパ!」がおすすめです。

同大会については以前ご紹介したことがありますね。

「スマパ!」にはこのアイテムが8台あり、交代でプレイすることで十分体験可能な設備がそろっています。

参考資料

また、すでに個人で「GCHD」を購入したプレイヤーたちがそのレポートを公開しています。アクセスの問題で体験できない方は、日本における同アイテムのアンバサダーを務めるわっちさんの「GCHDというゲームキューブソフトを高画質、低遅延で遊べるアダプターが日本に来日!個人的に布教したい理由」に記された注意点なども含め、購入にあたって彼らのレポートを読んでみましょう。

<「GCHD」使用レポート一覧>

・「あのスマブラDXをHDMI出力できる!?話題の『GCHD』とは」by bozitomaさん
・「今話題のGCHDを使って、スマブラDXをBenQモニタで起動してみた」by クロマキバレットさん
・「ついにブラウン管無しでスマブラDXが楽しめる未来がくる?話題のGCHD買ってみました」by ヒトリさん

まとめ

さて、ここまで紹介してきた「GCHD」。

生産終了したブラウン管モニターの故障や運搬の労力から私たちを解放することを可能にするだけでなく、液晶モニターがこれまで抱えていた遅延問題をもほとんど解決しうるこのアイテムによって、今後の『スマブラDX』の大会がどのようなプロセスを経ることになるのか目が離せません。

上記で言及しましたが、「クロブラ」や「スマパ!」を始め、『スマブラ』以外のタイトルを採用する大会との合同イベントなど、技術革新によって引き起こされる環境面の進歩があることでしょう。

『スマブラDX』は発売から何年も経過していることもあり、多くの技術革新が現在進行形で行われています。その中の1つ「GCHD」の誕生とその活用についての1本でした。

 

【この寄稿を書いた人】
Twitterアカウント:MARINE
ブログ: GCC’s blog – スマブラDX情報誌 –

MARINE(ゲストライター)

書いた人:MARINE(ゲストライター)

ゲストライター。スマブラDXを主戦場とするプレイヤーであり、自身のブログ「GCC's blog」を運営している。

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