COLUMN
皆さんこんにちは。ウメブラスタッフのエルです。
スマブラをSwitch(スイッチ)版新作から始める人は、スマブラ界隈で勝つことができるのか。全4回に分けて、3つの基準で考察しているこのテーマですが、今回はJPRという指標に注目していきます。
JPRとはJapan Power Rankingの頭文字を取った略称であり、その名の通り日本におけるスマブラの強さランキングと言っても過言ではないでしょう。
つまり今のスマブラタイマンルール環境において、日本で俺○番目に強いよって名乗れる称号を手にすることができるということです。
よく比較されるものとしてPGR(Panda Global Ranking)があります。こちらについては既に紹介しておりますので、宜しければ合わせてお読みください。
Japan Power Rankingとは
まずは冒頭でも軽く触れたJPRについて詳しく説明していきたいと思います。
誰がどこで作ってるの
PGRはPanda Globalというという組織が作っていましたが、JPRはHarukiさんという個人が独自の基準で集計して200位まで順位が公開されています。
個人で作っているランキングではありますが、Smash.ggのランキングにものっており世界でも広く認知されているランキングとなっています。
余談ですが、Harukiさんはウメブラの大会運営スタッフでもあり、今のウメブラでの大会シードはJPRを参考に作られています。
集計は同じくHarukiさんが公開されているSmash Recordの記録を元にされており、日本中の大会からそれぞれの地域の代表的な大会がランキング選考基準の大会として選ばれます。
JPRから話はズレますが、オンラインの大規模大会タミスマを開催している鮫木さんや、スマメイトを運営しているのちょうさんなど、スマブラ界隈には個人単位ですごいことをしている人が沢山います。
選考基準はどうなってる
ランキングの選考基準は、よくあるランキングポイントの加算式(ポイント選考大会で得たポイントの合計値)とは異なった手法で行われています。
具体的には、期間内にポイント選考の対象となった大会から各プレイヤー毎に6つを選び、各プレイヤー毎に6つの合計値が最も高くなるように計算し優劣を競います。
例えばあるプレイヤーが選考期間で20個の大会に出ていた場合、その中でポイントを稼げている上位6つの大会を選んで点数をつけ、それ以外の14個は破棄します。
これは、頻繁に大規模な大会が行われている大都市圏のプレイヤーだけでランキングが埋まってしまわないようにという、作成者の考えが反映されています。
次に各大会のランキングポイントの数値と選考に使われる大会についてですが、全ては公開されていないためわかっている内容を紹介します。
ポイントの付け方は初期から徐々に変化し、現在は大会に出ているJPR上位者の数に応じてその大会のランキングポイントをつけているとのことです。
基準に参加人数が入っていない理由も、上記のように大規模大会が行われなくても上位者が遠征した大会である程度のポイントが付くように配慮された結果となります。
また選考に使われる大会ですが、初期は国内で代表とされる大会のみだったとのことですが、現在は日本各地の主要な大会が対象とのことです。
つまり地方の人でも、各地域の主要大会で上位を取り続け、年に数回程度行われる大規模大会に遠征して上位入賞すれば、JPR上位に入るチャンスがあります。
JPR(Japan Power Ranking)
それでは実際にJPRに入賞した上位20人を元に、新人プレイヤーが活躍しているかを考察していきます。
JPRは今までに4回更新され、2019年の上半期に最後の更新が予定されています。
JPR v1 (November 2015 – October 2016)
記念すべき第1回は2015/11 – 2016/10が対象となります。
時期としては、スマブラWii U版が発売して約1年が経過した時期からの1年間になります。
ダウンロードコンテンツであるキャラクターの追加と、キャラクターのアップデート終了がこの期間の初期~中期にかけて行われています。
結果を見てみると、関西・関東・九州・中部の代表的な古豪達が満遍なく入っている中に、「KEN」「HIKARU」「T」といったお馴染みの新星が姿を表しています。
PGRでの同時期では、KENがギリギリ姿を表す程度でしたが国内では既に新作からのプレイヤーがランキング上位に入ってきているのがわかります。
ちなみにこの期間は参考にするランキングがないため、各地域で安定して上位入賞をしていたプレイヤーのポイントが高いと予想されます。
JPR v2 (February 2016 – February 2017)
第2回は2016/2 -2017/2が対象となります。
PGRとは違い、それぞれのシーズンで集計期間が約9ヶ月被っているのが特徴です。
結果としては関西・九州・関東でそれぞれ最も活躍した古豪3人を抑えてKENが1位になっています。
また第1回で入賞した「HIKARU」「T」に加えて、「Kirihara」「Tsu」「Pichi」「Ron」「Atelier」と上位20の1/3以上が新規プレイヤーになっています。
KENが1位になった背景としては、この期間にランキング上位者が多数出場したウメブラSATの1位や、niconicoチャンピオンシップ2017で2位と日本人最高位の獲得があります。
Wii Uは前作Xよりさらに早いスピードで新人プレイヤーが活躍したイメージがありましたが、2年目は大会シーンの上位半数近くが新人プレイヤーとなっていたことがわかります。
JPR v3 (May 2016 – May 2017)
第3回は2016/5 – 2017/5が対象となります。
時期的にはWii U版が発売して約1年半が過ぎた時期からの1年間であり、キャラクターの追加・アップデート共に終わってからのランキングです。
結果としてはKENが1位の座を守り、おいしいとうふさんが新人プレイヤーとして新たに20位に入賞していますが、全体的にはV2と大きく変化はありません。
この時期から世間的には海外遠征が盛んになってきており、活発に遠征をするプレイヤーのレベルがあがってきているような印象を受けます。
そういう意味で、遠征に対するハードルの低さも有りV2に比べると古豪が新人を抑えて返り咲いているように考察することもできます。
JPR v4 (January 2017 – January 2018)
第4回は2017/1 – 2018/1が対象となります。
V3の後半である2016年下半期を除き、新たに2017年から1年間での集計となっています。これによってウメブラSATの結果が除外されます。
結果を見てみると、ウメブラSATの1位が無くなっても1位は依然としてKENとなっています。また今までとの違いとしてトップ4が全て関東になっています。
時期的には日本過去最高レベルの大会である、ウメブラJMとアニバーサリー大会であるウメブラTATが揃ってランキング対象に含まれ、過去最高レベルで争った闘会議予選も含まれます。
また、2017年は日本人の海外遠征者が増えたため海外大会での結果もランキング選考の対象に入ってきています。
20位入賞としては「Kuro」「Kome」「Rizeasu」が新規プレイヤーとして入ったものの、1/3以上が新規プレイヤーという大勢は変わっていません。
V4で具体的にどの大会の結果が評価されて順位が出ているのかは、以下のページで詳しくみることが可能ですので興味がある方は見てみるといいかもしれません。
結果から考察
新作から始めたプレイヤーが勝つことができるかを、JPRという基準を元に考察してみました。
結果を見てみると、割合こそ前作からのプレイヤーが多かったですが、新人プレイヤーの活躍も素晴らしいものがありました。
具体的には、1位は3期連続で新人プレイヤーのKENであったり、1年を過ぎた辺りであるV1から既にトップ10に新人プレイヤーが複数人入っています。
また、個人個人を見てみると古豪や新人といった括りより、国内国外問わず遠征をしたり、周辺環境が整っている人が上位に来ているように見受けられました。
つまり新人プレイヤーであるかよりも、いかにレベルの高い環境に身を置き、高いレベルの大会を求めて遠征するかという努力が重要であるという結果になっています。
新人でトップを目指す人は、高い環境に身を置くために努力することや、レベルの高い大会に積極的に参加していくことが課題となっていくかもしれません。
逆に言えば、それが実現できれば十分新人プレイヤーも活躍できるということが可能という結果が示されていると言えるのではないでしょうか。