COLUMN
皆さんこんにちは。ウメブラスタッフのエルです。
スマブラを新作から始めた人は、スマブラ界隈で勝つことができるのか。
前回から3つの基準に分けて書いているこのテーマですが、今回は前回に引き続きビッグトーナメントで勝てた新人プレイヤーが過去に実際にいたのかを焦点に考察していきます。
今回は皆さんの記憶にも新しい2017年~2018年にかけてまとめつつ考察を行います。
スマブラWii Uの環境が2016年に整い、後半戦に突入した3年目~4年目にかけてになります。
2015年~2016年にかけてのは以下の記事にまとめておりますので、興味がある方は合わせてどうぞ。
この記事の目次
2017年~2018年ってどのような年だったのか
2GG Championship Seriesの開催
2017年は1年をかけて、2GG(※1)主催のChampionship Seriesが開催されました。他ゲーに例えると、カプコンプロツアーのスマブラ版のようなものです。
そのためこの年は、2GGが主催する大会が数多く開催され、多くの上位プレイヤーがポイントを求めて大会に参加しました。
そのため、2017年という1年はどの大会も非常にレベルが高く、スマブラWii Uを通じて最も盛り上がった1年と言えるのではないでしょうか。
また2GGという団体は日本のプレイヤーを非常に高く買ってくれるため、多くの日本人プレイヤーが2GGの支援の元でアメリカに何度も遠征を行いました。
※1 アメリカ西海岸に拠点を持つ団体
新キャラ使いの台頭
2017年~2018年にかけては、良くも悪くも新キャラをメインキャラに据えて上位に入賞する新人プレイヤーが増えました。
以下に新キャラを使って大会シーンで存在感を出した新人プレイヤーをまとめてみます。
- ベヨネッタ&クラウド MkLeo Tweek
- ベヨネッタ CaptainZack Mistake Lima
- カムイ Cosmos
特にベヨネッタを使うプレイヤーの活躍はめざましく、象徴的な出来事としてはEVO2018の決勝はベヨネッタ使いの新人プレイヤーである「Lima」と「CaptainZack」でした。
勿論そんな中で初期からのメインキャラを貫いて勝ち残ったプレイヤーも沢山います。
しかしながら、やはりベヨネッタの活躍は無視できないものがあり、やはり新規参戦の強キャラは新人にチャンスを与えてくれる存在だったようです。
2017年 ~Civil War・EVO2017・MkLeo Saga・2GG Championship~
2017年は先程も述べたようにレベルの高い大会が非常に多く、まさにSランク大会のバーゲンセールと言えるような状況でした。
そのため2017年はその中でも特にレベルの高かった4つの大会に加え、Sランクに入った大会で日本人の新人が活躍した大会を紹介していきます。
ちなみにこの1年でPGが定めるSランク大会の基準に達した大会は驚異の14大会です。以下にまとめてみます。
- GENESIS4
- Civil War ※
- Nairo Saga ※
- CEO 2017
- EVO 2017
- DreamHack Atlanta 2017
- Super Sumash Con 2017
- SCR Saga ※
- Shine 2017
- GameTyrant Expo 2017
- The Big House 7
- Fire Emblem saga ※
- MkLeo saga ※
- 2GG Championship ※
前の記事で述べた5大大会、2GG Chanpionshipに関わる大会(※がついている大会)がやはり非常にレベルが高いです。
それでは開催された時期が早い順に早速紹介していきます。
Civil War
2017/3/24-26にかけて行われた、おそらくスマブラWii U史上最もレベルの高い大会です。
テーマは南北戦争ということで、当時スマブラ界隈で最強の実力者と噂されていた「ZeRo」と「Ally」をリーダーとした7 vs 7のクルーバトルがメインイベントとして行われました。
なぜ最もレベルの高い大会と言われるかというと、当時PGRトップ50人のうち47人が参加した強豪ぞろいのトーナメントだったためです。
結果としては、南北戦争ではなく関ヶ原ではないかと言われるくらい日本人の活躍がめざましく、トップ8に3人、トップ24までに11人のプレイヤーが残りました。
新人プレイヤーとしては、3位にT、トップ6にKirihara、トップ8にHIKARU、トップ16にTsu-が残りました。
日本人の新人プレイヤー達が世界の多くの人に本格的に認められた大会であり、Wii U版が発売してから約2年半が経過した時期でした。
優勝はDabuzですが、直前に行われたSランク大会GENESIS4でトップ3に入ったMkLeo,Ally,ZeRoの3人がトップ96,トップ32,トップ64で消えるという波乱のトーナメントでもありました。
CEO2017
2017/6/16-18にかけて行われたおなじみの大会。参加者は611人です。
日本人の新人プレイヤーとしてはトップ6にKEN、トップ16にRaitoが残りました。
優勝はZeRo、準優勝はMkLeoであり、Ranaiもトップ12に残っています。
EVO2017
2017/7/14-16にかけて行われたおなじみの世界大会。参加者は前年には劣るものの驚異の1508人です。
この大会ではスマブラWii Uはメインの9種目に選ばれるだけでなく、3日目にアリーナで行われる5種目にも選ばれました。
また、EVO公式Twitterで行われた3日目の種目で最も良かったタイトルというアンケートで1位を獲得しました。
そんな大きな大きなトップ8の舞台に日本人であり、Wii Uからの新人プレイヤーであるKENが残りました。
トップ8にアメリカ以外で残ったのは、チリのZeRo以外では日本のKENだけであり、3月に行われたCiVil Warに続いてここでも日本人選手が存在感を見せました。
2年半本気で走れば世界のトップが狙えることを証明してくれたKENは凄いプレイヤーです。
MkLeo Saga
12月に予定されていた2GG Championshipの最後のランキングポイント大会ということで数多くのトッププレイヤーがこの大会に集いました。
参加人数は313人で1日開催という小規模にも思えるような大会ですが、集まったプレイヤーのレベルが非常に高く2017年下期ではEVOとこの大会だけがS+ランクとして扱われました。
このようなレベルが高い大会でまたまたKENが大活躍をしました。
Larry,Dabuz,Nairo,MkLeoというPGR1桁ランカー4人を破り、Sランク大会ではEVO2016のKameme以来となる2位に入賞しました。
トップ3はTweek,KEN,MkLeoととてもレベルの高い大会にも関わらず、Wii Uから頭角を現した3人でした。
この頃にはもう新人プレイヤーもベテランプレイヤーも関係なく、等しくトッププレイヤーとして活躍できるということを象徴した大会でした。
2GG Championship
2017年のChampionship Seriesで得点上位の19名と当日枠の1名の20人が参加する、まさに2017年を包括するような大会でした。
そんな強者のみしか参加が許されない大会に日本人からは、「Abadango」「KEN」「Kirihara」「Komorikiri」「Shuton」「T」の5名が参加しました。
「KEN」「Kirihara」「T」とWii Uから名を馳せた3名が参加していることも注目の1つなのですが、この大会にはもっとすごいことが起きていました。
まずは以下の動画を御覧ください。
いきなりなんの動画かと思われるかもしれませんが、2015/4/19のウメブラ14で行われたBクラス決勝の動画です。
そして次に以下の動画を御覧ください。
これは2GG ChampionshipのグループCの1試合です。この試合が行われたのは2017/12/1です。
つまりわずか2年と8ヶ月という短い期間で、ウメブラBクラス進出プレイヤー2人がトッププロたちが集まる世界最高峰の大会に参加するまでになったということです。
新作からスマブラを始める人は、最初は勝てずBクラスに行ってしまうかもしれませんが、努力を続ければこのような結果が待っているかもしれません。
大会自体の結果は、MkLeo,ZeRo,Salemと2017年を象徴するプレイヤー3人がトップ3となり、日本人としてはKENがトップ6、Abadangoがトップ8に残りました。
2018年 ~EVO2018・Super Smash con2018~
最後に2018年を見ていきましょう。2018年は残念ながらSランク認定された大会はEVOとSSCの2つしかありません。
理由としては諸説ありますが、2017年の反動、スマブラ新作発売決定、ZeRoの引退、ランク選定基準の見直しが考えられます。
EVO2018
EVO2018は若手プレイヤーの活躍が目立った大会でした。トーナメントはいつも通りLas Vegasで開かれ、参加者は1358人です。
そんなトーナメントのトップ8に勝者側から進出した「Lima」「CaptainZack」「Mr.E」「Mistake」は全員10代、そしてMr.E以外の3人はベヨネッタ使いです。
MkLeoとTweekという若手の2大巨頭が欠席した中でもこの結果と、Wii U最後の年にして完全に新作からのプレイヤーが旧作からのプレイヤーを追い抜いた瞬間と言えるでしょう。
日本人からは古豪Nietonoが3位、そしてWii Uから始め2017年後半から徐々に頭角を現していたRaitoがトップ8に残りました。
Super Smash con 2018
EVO2018から1週間後に開かれたこの大会。そしておそらくWii Uで最後のSランク大会かつ1000人を超えるトーナメントになるのではと私は予想しています。
参加者は1379人、PGRトップ20人から日本人を除く18人のうち、15人が参加したレベルの高いトーナメントでした。
残念ながら日本人はトップ32人までに1人も残ることができませんでした。結果はEVOを辞退したMkLeoが満を持しての優勝となりました。
ビッグトーナメントを振り返って
2015年~2018年まで駆け足でトーナメントを振り返ってきました。
結果を見てみると、最初の2年は新人プレイヤーにはつらい時期が続きましたが、3年目に入り中期を過ぎてくると新作から開始した新人プレイヤーの活躍が目立ちます。
特にウメブラのBクラスという結果からオフライン大会デビューをし、Sランク大会で世界中の強豪たちと互角以上に渡り合ったKENが一際大きな存在感を放っています。
他にも多くのWii Uから始めた日本人プレイヤー達がビッグトーナメントで活躍していますし、海外では新人プレイヤーのほうが強いような状況となっていました。
このような歴史を受け、新作から本気で始めてみようと思っている人は1年先、2年先を見据えて本気で取り組んでみてはいかがでしょうか。