TECHNIQUE
スマブラだけでなく格闘ゲームをプレイしていると、頻繁に”じゃんけん”という表現を耳にするかと思います。
これは、双方のキャラクターの複数の選択肢について、ある動作AがBに負けるがCには勝つことができるといった関係にある時にそう表現されることが多いです。
じゃんけんはお互いのプレイヤーが同じ選択肢を3つずつ持っているゲームです。これは勿論、必ずしも対戦ゲームにおいて当てはまるものではなく、ある場合は2択といった形で選択肢が2つに絞られたり、他の場合は4つ5つに増える場合もあるでしょう。
対戦ゲーム、特にスマブラで言うじゃんけんというものに対して僕の中では2つ重要だと考えていることがあります。
この記事ではそれを解説し、すぐにでも実践に活かせる考え方を提供したいと考えています。よろしくお願いします!
①まずは自分の持つ選択肢と、それに対する相手側の選択肢を整理
双方の持つ選択肢を整理することがまずは重要です。
究極的には全ての間合い、全ての状況でのお互いの選択肢が整理できていれば理想ですが、現実的にはキャラ数や状況パターン数の掛け算を考えると不可能に近いです。
固定化しやすい状況を以下で考えましょう。
崖上がりをする瞬間
こちらの選択肢
- その場上がり
- 転がり上がり
- 攻撃上がり
- ジャンプ上がり
- 崖離しジャンプ上がり
相手の選択肢(例えばフォックスを相手にした場合を想定します)
- 空N置き:その場上がりとジャンプ上がりに刺さり、タイミング次第では攻撃上がりや崖離しジャンプ上がりにも刺さる
- ガード様子見からの確認:その場上がりと転がり上がりと攻撃上がりに刺さる
- 崖端から1ステップ分引いて確認:転がり上がりと攻撃上がりに刺さる
- 空後置き:ジャンプ上がり、崖離しジャンプ上がりに刺さる
などなど。狩る側の選択肢はもっと色々考えられると思いますが、大まかにこんな感じじゃないでしょうか。
一々書き出して整理するというよりは対戦の中で何となくわかってくるものだと思います、本当は。必要に応じてこんな感じで整理しても良いかと思います。
そして、一旦こういう形で整理をしておくとリスクリターンと言われるような”計算”ができるようになってきます。
例えば、今自分が100%くらいでフォックスを相手にする場合、上スマと崖端での空後や横スマさえ喰らわなければ撃墜しないという状況です。
この状況であれば、相手が後ろを向いて崖上がりを狩ろうとしてくる場合は空後を警戒し、空後で合わせにくいその場上がりや転がり上がりが強いな、とか
相手が前を向くのであれば確認されて上スマ横スマ等の最大リターンが取られにくいジャンプ上がりを選択した方が良いなとか、そういった計算ができるようになります。
概念的なお話をすると…
例えばじゃんけんでグーで勝つと3ポイント、チョキだと5ポイント、パーだと7ポイント獲得できるという追加ルールがあるとします。
このルールをしっかり把握することが大事だというのが、お互いの選択肢を整理することが重要だということにあたります。
そして、ルールを把握していれば必然的に「パーで勝ちたいからパーを多めに出す」とか「パーが強いことを分かって相手はそれに勝てるチョキを多めに出してくるから逆にグーが刺さる」とかそういった戦略をお互いは探り合って取りますよね?
スマブラに置き換えるとそもそもルールを理解するということがまず難しいと思うので、結構期待値とはかけ離れた行動をとる人が多いです。
そのため、まずはルールを把握する=お互いの取り得る選択肢を整理するということが重要だと思っています。
②選択肢を出すタイミングを意識
さて、お互いが複数の選択肢を持ち、かつそれらのリターンに重みづけがされていることから戦略を立てるというのが上の見出しで主張したことですが、じゃんけんと大きく違うことがもう1つあります。
それは手はいつ出しても構わないということです。
あえて上記に含めませんでしたが、崖上がりをするこちら側の選択肢として、(逆説的ではあるけど)崖を上がらないというものがあります。
つまり、崖に掴まったまま崖上がりを狩る相手の動きを見て、その後安全に上がるというものです。
じゃんけんで言うなら、手を出すのを待っていたら相手が勝手に手を出してくれたので、後出しでそれに勝てる手を選択する、といったイメージになると思います。
上の崖上がりの例で言うと、例えば崖に掴まったまま様子見をしていたら相手が勝手に引きステップをしてくれたので、それを見て安全にジャンプ上がりをして難を逃れる…といった状況はあるかと思います。
これは自分の体験から来る感覚ですが、中級者まで来ると選択肢は理解しているんだけど、その選択肢を一定のタイミングで出してしまっていることが多いと感じます。
択を散らしているつもりでもそれを出すタイミングが一定だと、複数の選択肢に対応可能な動作を取るだけで高い確率でこちらが勝てたりします。
これは地上でのダメージレース時でもそうですが、何もしないという選択肢も時には有効です。何をしても狩られるという感想を持つ時は、大体何かをするタイミングが一定になっていることが多いと僕は思っています。
おわりに
上の2見出しをまとめると以下の3点に集約されるかと思います。
- スマブラにおける読み合いはお互いが複数の選択肢を持っていて、それらが互いに勝ったり負けたりするという点で似通っている
- また、それらの選択肢によって取れるリターンはそれぞれ異なっているため、相手の最も大きいリターンを拒否するという考え方がここでのじゃんけんにおいては必要
- じゃんけんと違い、手を出すタイミングさえもプレイヤーがコントロールすることができるため、あえて何もしないということも時には有効
このように状況を固定化してお互いができることを整理し、リスクリターンを把握するというのはとても重要です。
よく上手い人相手に崖上がりができないというのは、上手い人はまずこういう固定化して考えられるところからしっかり詰めているからだと思っています。
改めて読み返すと少し難しい内容になったかとは思いますが、少しでも参考になれば幸いです。