EVENT
皆さんお久しぶりです。ウメブラスタッフのエルです。今回はタイトルの通り、色々な場面で定期的に話題になるスマブラの実況について書きました。
今回の記事の内容は、イベントの運営者である私の目線、配信事情に詳しいTwitchのアユハ氏の見解、さらに企業やパブリッシャーが一般的に重視している点からどのような実況が公の場で求められているかをまとめたものとなります。公の場と漠然と書きましたが、イメージし辛い方は公式イベントのことだと考えていただいて問題ありません。
それぞれが目指す場所やレベルが違うことは大前提であり、実況スタイルを縛って変えさせることは今回の記事の趣旨ではありません。今回の記事は、公式イベント等多くの注目を集める場で実況するにはどのような知識や配慮が必要であるかということを書いています。公式イベントの実況等を目指す人・現状の実況でやり方に迷ってる人に対しては必見の内容となっていますが、この点を理解した上で読んで頂ければ幸いです。
イベント実況者を目指す上で最低限心がけること
イベント実況者に求められるものは様々なものがありますが、日本よりゲームイベントが進んでいる海外では、実況者に「Professionalism」や「 Brand Safeness」といった概念を重視する傾向があり、これらを兼ね備えた人が企業イベントのステージMCや実況を任せられることが多いです。日本でも同様の流れは進んでおり、特に企業やパブリッシャーとの関わりが多い場面では上記のようなことが求められてきます。
ここで注意すべき点としては、特定イベントにおいて急にプロ意識や言葉遣いを磨いていたのでは遅く、このようなことが既に出来ている人物に比較的オファーが来る傾向にあるということです。以下に具体例を書いていきます。
競技っぽい表現・公式っぽい表現
競技に相応しい表現で代表的なものとしては選手の呼び方があり、○○さんといった表現は競技中には使いません。プロのアナウンサー等が実況する際は呼び捨てか、○○選手といった表現を用います。またゲームには公式用語が多々存在し、競技の場においては相応しい表現というものが存在します。例えば攻撃があたった際に、パンチやキック、剣やビームといった表現を使うより固有名詞を使って表現したほうが公式っぽさが増します。
以下によく話題になるスマブラの公式用語を一部まとめてみます。全てを統一するのは難しいですが、意識することで公式っぽさが増します。
撃墜/ミス
殺す/死ぬはNG。バーストはスマブラでは馴染みがあるが公式用語ではない上に、格ゲーで別の意味で使われるため避けたほうが無難です。
シールド(notガード)
ジャスガ、ガーキャン、ガードシフトではなく、ジャストシールド、シールドキャンセル、シールドシフトが公式用語。ガードするという表現はOKです。
攻撃/必殺技(not A/B)
特に必殺技を上B・下B等で表現することが多いですが、正式には上必殺技・下必殺技。空中攻撃も上空中攻撃・前空中攻撃・後ろ空中攻撃が公式用語です。ただし名称が長いため、展開が早い場面では伝えることを優先して上Bや空上等の表現をやむを得ず使うことはあります。
公の場に相応しくない表現
公の場に相応しくない表現の議論で最も馴染みがあるのは暴力的な表現でしょう。具体的には「死ぬ」「殺す」と言った表現です。他に代替の表現がない場合を除き、場合によっては動画がR-15となってしまうようなこのような言葉を使うこと自体が不適切になることが多いです。
死ぬ・殺すという表現を使わないように、スマブラでは「撃墜」や「ミス」、格ゲーでは「KO」や「倒す」、FPSやTPS等では「KILLする」や「DOWNする」等の表現を求められる場合があります。
他にもブランドイメージを損なう放送に相応しくない表現は多々あり、「個人に対する差別的な表現」「反社会的な表現」「過度なポルノ表現」は基本的にNGです。暴力的な表現を含めた上記表現は最も気をつけるべき点であり、つい出ちゃう人は普段の言葉遣いから見直しましょう。
テレビやラジオ等の放送では、放送禁止用語というものが存在します。個人的にここまでしっかりと気をつける必要があるかは疑問ですが、参考までに放送禁止用語をまとめたサイトをはっておきますので、興味のある方は参照ください。
他の実況者と差をつけるためには
ここまでは前提条件を書いてきました。仕事でいう資格のようなものです。ここからは前提を満たした上でどのような点に気をつければ、他の人と差をつけられるのかの具体例をいくつか書いていきます。
見ている層を意識して実況しよう
配信を見ている層は必ずしもそのゲームが詳しいとは限りません。多くの人が見ている配信では特にこの点に注意し、基本的なやりとりを説明したり、楽しそうに話したり、上手いプレイが出たら素直に褒めることが重要だったりします。
また制作元やスポンサーは、宣伝効果があるかを勿論見ています。制作陣がゲームを作る際に意識したであろう点に触れたり、スポンサーがサポートしている内容を述べたりしたほうが喜ばれる傾向にあります。
実況のスタイルを決めていこう
自分が目指す方向性をしっかりと決めましょう。王道・陽気・ラフ、その他様々なスタイルはありますが方向性によって声の抑揚やフリーな時間の話題は変えていきましょう。形から入るのであれば服装もスタイルによって合わせていきましょう(王道ならスーツとかも有り?)。
見ていて楽しい実況を心がけよう
実況として盛り上げる方法として、クライマックスのシーン(撃墜場面等)やスーパープレイが出たときはしっかりとリアクションを取りましょう。またネガティブな表現は極力避け、ポジティブな表現を使いましょう。例として、試合中にミスが起きた際にミスを指摘するのではなく、有利になった側が読み勝った・プレッシャーを与えた等の表現を用いてみましょう。
賛否両論あると思いますが、過度な平等は避け必要な場面では贔屓もしましょう。プロとアマ、強キャラと弱キャラ、ベテランと新人、プレイヤーのスタイルなど違うところは様々有り、そこを無理に平等に扱うと逆につまらなくなります。理想的には両方を贔屓しましょう。
まとめ
実況についてまとめてみましたがいかがだったでしょうか。実況というのは明確な正解があるわけでなく各々の表現によって成り立っているため、どうしても好き嫌いが出たり、表現の自由だと指摘されたりすることがあります。勿論それぞれが好きなものを目指し、好きな表現を使う自由がありますが、実況者に「Professionalism」が求められる場面がその逆としてあるということを理解する必要があります。
それぞれが目指す場所やレベルが違うことを前提に、それに合わせた指摘やアドバイスが正しく行われ、ゲーム実況がさらに発展していくことを願っています。