BEGINNER
皆さんこんにちは。ウメブラスタッフのエルです。
最近以前にも増して初心者向けの講習が盛んになっており、またウメブラでも初参加率がありがたいことに非常に高くなっています。
今回はそういう新しく対戦ゲームを始めた人に向けて、読み合いのやり取りをスマブラの対戦場面を例えに出しながら説明していきます。
人間VS人間だからこそ生まれる”読み合い”
一概に対戦ゲームと言っても色々ありますが、スマブラを含めた格ゲーでの対戦は「対人戦」という表現をよく使います。
これは人間VS人間の対戦であること意味しており、それを理解できているかはとても重要です。
格闘ゲームの強さは操作精度だけじゃない
初心者にありがちですが、相手は人間なのにまるでコンピューターを相手にしているかのような思考に陥ることがあります。
その結果、読み合いじゃなくて操作の上手さがプレイヤーの強さだと勘違いしてしまうことが多いです。
人間は機械と違い、動きに操作の癖を含めた人の思考が混じりますし、逆に学習して癖を読んでくることもありますし、緊張や動揺によって集中力も増減します。
まずは人間VS人間で戦っているということを理解した上で、どのような行動が有効なのか考えられるようになることが、対戦ゲームを理解する大きな一歩となります。
初心者が読み合いを理解するために重要なこと
格闘ゲームでは絶えず様々な読み合いのやり取りが発生していますが、簡単にカテゴリ分けをすると以下の4つがあります。
- 完全にじゃんけんになっている場面
- グリコ遊びのようなじゃんけんになっている場面
- 完全な三すくみになっていないじゃんけんになっている場面
- そもそもじゃんけんになっていない場面
格ゲー上級者になると、今どんなじゃんけんが発生しているのかを理解しながら戦えますが、初心者の場合はそうもいきません。
グーチョキパーの三すくみのじゃんけんなのか、それ以外の選択肢があるのか、そもそもじゃんけんになっているのかなどを咄嗟に判断する必要があります。
じゃんけんになっていないパターンってどういう時?
じゃんけんになるパターンとして一番シンプルな状況は、見てから対処出来ない攻撃で2択をかけることです。
しかしながら、見えない攻撃を2種類以上混ぜて択をかけているはずなのに、なぜかずっと対処されてじゃんけんさせて貰えないという悩みを持つ初心者はいると思います。
原因として考えられるのは、攻撃の種類は見えない2種類の択を用意しているが、その2種類が1種類の行動で対処出来る行動をしているということが多いです。
スマブラで例を上げると、メタナイトがダッシュから、攻撃と投げの2種類の攻撃をランダムで選択した場合、確かに防御側は攻撃か投げか見てから判断することは出来ません。
そういう意味では一見この行動は見てからわからない攻撃を2種類振り分けています。
しかしながら、スマブラでは攻撃も投げも両方回避という行動で対処出来てしまうため、厳密には1種類の行動で2つの行動に対処出来てしまいます。
そのため、ダッシュから必ず攻撃か投げをするプレイヤーがいると仮定した場合、防御側は攻撃か投げのどちらであるかは、見てからではわからないが、とりあえず行動に合わせて回避をすれば必ず避けることが可能です。
つまり見てからではわからない攻撃を2種類振り分けているが、それが見てから対処できない2種類の攻撃になっていないのです。
ではどうすればよいかというと、例えばダッシュガードで相手の前で止まり(または何もしないで止まる)回避の硬直に攻撃を当てることで、相手は回避行動が安定行動ではなくなります。
これによって初めて、見えない2種類の行動によるじゃんけんが成立したと言えるでしょう。
じゃんけんの読み合いを少し発展させて考える
ここで少し発展させて考えてみましょう。読み合いをする上では止まると攻撃という択をバランス良く使うべきなのでしょうか。
正解はそうではないのですが、理由を説明する上で、ここでも冒頭にあげた相手が人間であることを理解して読み合いをするということが生きてきます。
10回中1回でも相手の前で止まって回避に攻撃を刺すという行動を通してしまえば、残りの9回は止まらなくても相手の脳裏には止まるという幻影がちらつきます。
そのため通したい行動が攻撃であれば、対の選択肢である止まる行動を1度見せて攻撃を多めにするというのが初心者帯における正解となります。
なぜ初心者帯と言ったかというと、中級者以上ではじゃんけんの通す上で相手の人間がどの択を通したい(リターンが高い)かを考えられるプレイヤーが多いからです。
そのため、本命の択を読んでそちらに対処するということを自然とやってくることが多く、本命の択ばかりを通していては読まれてリターン負けしてしまいます。
上級者になるとその裏の裏や人読みと、さらに複雑になってきますが、まずはここまでを理解することが重要です。
何と何がじゃんけんになっているかということを防御する側の視点に立って考えることが大切です。
どの行動が見えない行動なのか
どのような行動が見えない2択になっているかは、感覚でわかる部分もあります。
しかしながら、フレームを理解して択をかければ相手が読みでやっているのか見てからやっているのかの理解がより深まると思います。
人間の反応は理論値限界が0.1秒、速い人で0.16秒程度(約10F)、遅い人で0.25秒程度(約15F)と言われています。
勿論これは光ったらボタンを押す等の単純な反応なので、複数の物事を考えながらやる対戦ゲーム環境では勿論もっと遅くなります。
ざっくりですが、反応が超速い人には15F以下、遅い人には20F以下ぐらいの行動で択かけをすれば見えない択がかけられていると言えるでしょう。
三すくみと勘違いしているパターン
三すくみとはすなわち、攻撃側が3種類の行動があり防御側も対処に3種類の行動があるというような状況を指します。
しかしながらしっかりと使い分ければ3種類の攻撃行動に対して、3種類の防御行動が必要な場面なのにも関わらず1種類の防御行動で2種類以上をカバーされているということが起こります。
具体例としてスマブラの読み合いにおいて非常に重要な崖に捕まっているという状況で説明します。
崖に捕まっている側に選べる選択肢としては、大きく4種類(ジャンプ・その場上がり・攻撃上がり・回避上がり)の行動があります。
あばだんごの記事でも紹介されてましたが、特に崖からジャンプするという行動は非常に優秀です(全体12Fなので見てから攻撃は無理)。
しかしながら、崖に捕まって最速で(先行入力)4種類いずれかの行動を必ず行うという初心者あるあるをしている場合、折角の三すくみがそうでなくなってしまいます。
例えば崖上でルキナが待っていると仮定し、手癖で必ずジャンプ・攻撃・その場・回避のいずれかの最速行動をするとバレている場合を考えてみましょう。
相手が崖に捕まる直前に、崖上側もジャンプして前空中攻撃を必ず行うことでジャンプ上がりを咎めつつ、攻撃上がりと回避上がりも着地して同時に咎めることができます。
細かい話はフレームを理解していないと難しいですが、前空中攻撃をジャンプ上がりの10F~12Fに当てつつ、その場上がりの31F~34Fに攻撃が間に合うように着地出来るということです。
つまり崖をあがる側は三すくみと思いながら4つの行動の中から散らして選んでいたつもりが、最速行動をするという要素が加わることで崖上側は1つの行動で攻撃上がり以外の3種類を潰せるということになります。
これを防ぐためには、崖に捕まってから行動するタイミングを微妙に散らすということで、しっかりとした3すくみの状態を作ることが大切です。
このように、行動自体は三すくみになっているかもしれないが、別の癖が混じって読まれることで三すくみになっていないということが初心者対中級者以上の対戦ではよく起こります。
三すくみになっているはずなのにいつも読み合い負けるというセットプレイがある場合、こういう癖が読まれていないかを疑ってみてください。
まとめ
上の章でも述べたとおり、対戦ゲームは人間対人間のやり取りによって成り立っています。
何をやっても通らない相手がいる場合は相手の人間に自分の癖を読まれて作業されている場合が多いです。
また、相手に安定して集中していなければ見えない行動が見られている場合は、相手の意識を散らせることが出来ていません。
場面場面で、どのようなやり取りが行われたかを理解し、次の場面や次の試合のやり取りに活かせるようになってくれば対戦はより楽しくなってきます。
その時こそ初心者帯を抜け出し、中級者帯に行けたと言えるのではないでしょうか。