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“大会”の存在はコミュニティの発展やプレイヤーにどう貢献できるのか

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皆さんこんにちは。ウメブラスタッフのエルです。

今回はタイトルの通り、”大会”という存在がそのゲームのコミュニティをどのように発展させ、プレイヤーにどのように貢献しているのかという視点で記事を書いていきたいと思います。

私の実体験や知識から、コミュニティが発展した例やプレイヤーに貢献できた例を紹介したり、私の考える大会の役割を述べていきたいです。

コロナウイルスが蔓延して大会が開かれなくなったこんなご時世だからこそ、今一度大会について色々と考え直す機会なのではないかと思いこの記事を再度見直してみました。

そもそも大会とはなんなのか

大会というのは、共通の趣味や目的を持った人たちが同じ空間に集まっていることです。

まず場所に関して述べると、オフラインやオンラインの決まりはないと思っています。

またしっかりしたトーナメントがあることが条件ではなく、対戦会や交流会も広義の意味で大会であると思っています。

規模に関しては、EVOのような世界中から人が集まるものから、平日に小さな箱を借りて行われているような対戦会まで様々あります。

それぞれが共通の役割と違う役割を持ってコミュニティを発展させ、プレイヤーに貢献していると考えています。これについては次の章で述べていこうと思います。

スマブラ界隈は、このような定義のイベントが多くのコミュニティ主催でおそらく最も多い界隈であり、その結果として今の盛り上がりが保たれている側面があると考えています。

大会の持つ役割

大会の持つ役割として最も重要だと私が考えていることは、界隈が盛り上がっているということを内外問わず認識させることです。

これは改めて言葉にしてみると当たり前ですが物凄く重要なことです。

実際に盛り上がってるのは勿論のこと、何かわからないけど盛り上がってる気がする等の雰囲気があるかないかで、プレイヤーだけではなく潜在的な層や外から見ている層の印象は物凄く変わります。

ゲーム大会だけだとイマイチ想像出来ないかもしれないので、それ以外のイベントで考えてみましょう。

  • 日本でワールドカップが開かれた時にサッカーの盛り上がりを感じませんでしたか?
  • 近くの街の施設で何かのプロスポーツ選手が交流会を開いた際に盛り上がってると感じませんでしたか?
  • 特定のゲームやアニメのオンリーイベントが開催されているのを見て盛り上がってると感じませんでしたか?
  • 大学のサークルや学校の部活動で熱心に活動している集団を見て盛り上がってると感じませんでしたか?

上の例をゲーム大会に当てはめて考えてみると、世界規模の大会から小さな団体の活動まで全ての大会が、周りに対して盛り上がりを提供していると言えるのがわかって頂けたのではないでしょうか。

そして人というのは盛り上がってる場所にや印象に残ったものに対して興味を持ってくれることが多いです。

そのため継続的な盛り上がりを様々な層に対して提供するという点において、大会の役割は大きいと考えています。

実際にウメブラの動画を見てスマブラ界隈に入って現在上位勢になってる人や、近くの対戦会がきっかけでスマブラを始めて順々に階段を登っていった人もいると思います。

大規模な大会の持つ役割

大規模な大会ならではの役割と言うものは確かに存在します。最もわかりやすい例はスター選手の誕生です。

スター選手の誕生

上の動画にある、ストリートファイターⅢの背水の逆転劇という有名なエピソードをご存知でしょうか。

現在おそらく日本で最も有名な格闘ゲームプレイヤーであるウメハラ選手が、EVOで当時アメリカで最強と噂されていたジャスティン・ウォン選手との試合で行ったやり取りです。

テクニック自体はトッププレイヤー達の間では大したことはなかったのかもしれません。

しかしながら、EVOという大会の場で、この組み合わせで、あの状況で行ったからこそウメハラ選手はスターになり得たのです。

勿論これはウメハラ選手が類まれなる才能やカリスマを持ちあわせていたからこそ生まれたという指摘は間違いないです。

しかしながら大会という場がウメハラ選手にスターになる舞台を与え、さらにウメハラというスターを生み出したことにより格闘ゲームというコミュニティを発展させた側面もある思っています。

この例は大会がコミュニティの発展と、プレイヤーの躍進の両方に対して大きな貢献を行ったわかりやすい例と言えるでしょう。

大規模大会がプレイヤーに与えるもの

次に私の周り実際に起こってきた、大規模大会がプレイヤーに与えたエピソードについて語りたいと思います。

私の友人であり、現在のスマブラコミュニティを語る上で欠かすことの出来ない人物である、Twitchのアユハ氏のことです。

彼がスマブラのオフラインコミュニティに参加を考えたきっかけは、※APEX2012の決勝である「おおとり対にえとの」の試合を見たからであると聞いています。

※APEXというのは、当時アメリカの東海岸で行われていた世界最大のスマブラ大会です。

彼はこの大会の配信を見たことがきっかけでスマブラのゲーム性に興味を持ち、当時東京で行われていたスマブラのオフライン大会に参加したそうです。

そこで偶然にも動画で見たプレイヤーである、にえとの選手と会ったことがきっかけで、その後スマブラオフラインのコミュニティに参加していきます。

そしてそれから2年後のAPEX2014に遠征した際、当時のアメリカのスマブラシーンを見て色々と個人的に感じるものがあり、現在スマブラの配信集団としておなじみの「SHI-G」を設立するに至ったとのことです。

もしもいずれかの大会がなかったらTwitchのアユハや、SHI-Gという集団は存在していなかったかもしれないと考えてみて下さい。

大会がコミュニティやプレイヤーに与える影響は時には大変大きなものがあるということを感じて頂けるのではないでしょうか。

小規模・中規模な大会の持つ役割

上で大規模イベントの役割について述べてきましたが、小規模・中規模な大会はいらないのかというと決してそうだとは思いません。

なぜならゲームのコミュニティにおいて最も大きな割合を占める、潜在的なプレイヤー層を獲得するのに重要なのがこれらのイベントだと考えているからです。

オフ初体験の場にもってこい

ゲームの大会に興味をなんとなく持ったり、友達とゲームをやってて何か大会に出てみたいなと考えていたり、地方でネット対戦で腕を磨いている人はたくさんいることでしょう。

そんな層の人達に、アメリカで世界大会があるから参加してみないかとか、今度東京で大規模な大会があるから遠征してみようよとか言っても、おそらく首を立てに振らないと思います。

勿論逆のパターンで、初めてだから記念に大規模な大会に参加してみようかなと人は少なからずいます。

しかしながら、多くの人が近くの街や大学等で行われているイベントや、ゲームの店舗大会等を初めての大会として経験し、徐々に大規模な大会へと興味を持っていったのではないでしょうか。

大規模大会への架け橋

スマブラでは時代背景が違いますが、私も初めて参加したスマブラの大会は48人規模の大会でしたし、それでも結構緊張しながら行きました。

潜在的な層の存在の大切さは、コミュニティに長く属している人ほど実感していると思いますが、常に新しいプレイヤー入ってくるからこそコミュニティは発展するし、プレイヤー達は刺激を受け続けます。

小規模・中規模な大会がなければ、大規模大会へのイメージが掴めず遠い存在だと思ってる人や、地方で遠征するのにエネルギーがいる人がコミュニティに参戦するハードルが大きくあがるのは間違いないでしょう。

目に見える形でコミュニティを発展させる、またプレイヤーに貢献していると感じるのは大規模大会のほうが多いと思います。

小規模・中規模大会の見えづらいところでの活躍があってこそ大規模大会の成功も支えられていると私は考えていますし、界隈に長くいるプレイヤー達は実感していると思います。

スマブラの国内大会での実際の例を挙げると、同キャラコミュニティ大会の集まりや、オンラインイベントの集まり、地方イベントで仲良くなった人の集まりなど様々な集団が、東京で開かれた大規模大会に一緒に参加してくれた例を聞いています。

プレイヤーのレベルアップを図れる場

最近では、都内の平日大会もレベル帯によって色々なものが開かれ、そこから仲良くなったり強くなった人が、大規模大会で結果を残して盛り上がったりしてるのも見られます。

ただ単に大きい大会が存在するだけでは、コミュニティは盛り上がらないし、大きな大会が更に発展していくための新規層が増えずに先細りしていく危険性があります。

このような中・小規模の色々な集まりの盛り上がりが集まって、大きな大会の盛り上がりに貢献しているということは忘れてはいけない側面であると私は考えています。

大会を開いている人や参加している人へ

最後に大会開催に関わってる色んな人、または大会に実際に参加しているプレイヤー層の人たちに私の思うことを書こうと思います。

大会開催に関わっている人は、大会の規模や大小は関係なく、そこに集まりが生まれ続けている限りコミュニティの発展やプレイヤーへの貢献をしています。

その活動自体がとてもありがたいことですし、自信を持ってこれからも運営に関わり続けていてほしいです。願わくばもっと色んな人が運営側に興味を持ってくれればよいと思っています。

大会に参加しているプレイヤーもまた、間違いなく界隈の盛り上がりに一役買っています。

最初は大会に興味を持って、勇気を出して参加してもらうということが何より大事なので、色々な人に大会に実際に足を運んでほしいと思います。

また、大会に慣れてきたプレイヤー層はお客様になるのではなく、参加者として運営側と一緒になって大会を盛り上げるためにはどうすればいいか考えてもらえれば、より高度なレベルへコミュニティは発展していくと思います。

スマブラのオフイベント大会では、大会に慣れた人が運営や進行に協力してもらっていることで成り立ってる面もあり、とてもありがたい環境だと思っています。

この記事を読んで、大会運営に興味を持った方がもしいましたら、私の書いた以下の大会に関する記事も合わせて読んで頂ければ幸いです。

今回の写真の一部を「だりもこ/Darimoko」氏に提供して頂きました。宜しければ合わせて参照下さい。

ウメブラ32写真集

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