COLUMN
皆さんこんにちは。ウメブラスタッフのエルです。
この記事を書いている2020年1月にPGRUシーズン2の順位が続々と発表され、国内外問わず色々なところで話題になっていました。
ということで今回は、このPGRUの仕組みについて私のわかっている範囲で色々とまとめてみたいと思います。
個人的にはランキングや、Tierという言葉を聞くとワクワクしてくるので、裏側の仕組みを調べるのは楽しかったです。
PGRUについての概要
PGRUとはアメリカの団体PG(Panda Global)というチームが出しているランキングのことでPanda Global Rankings Ultimateの頭文字を取ってPGRUとなっています。
Ultimateは大乱闘スマッシュブラザーズSpecialの欧米版タイトル名「Super Smash Bros. Ultimate」から来ています。
他にもスマブラDXのランキングであるPGRMがあり、前作For WiiUでも同様にランキングが出されていました。
このランキングはPGが独自の指標で決めた大会ランクでの大会成績とその他指標の総合点で出されており、半年毎に決められた大会の結果を集計して算出されています。
PGRの背景や前作のPGRについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてどうぞ。
PG認定の大会ランクについて
昨今色々なところで目にしたり耳にしたりするようになった「S-Tier」や「A-Tier」の大会という言葉ですが、これの多くはPGが認定した大会ランクのことを指しています。
ではこのS-TierとかA-Tierとかいうものはどういうものであり、実際にどのような大会がSやAという称号を得ているのかを解説していきます。
3つの指標で大会にポイントを付ける
PGは割とシンプルな3つの指標を用いて大会にポイントをつけています。その内容は以下の3つです。
- トーナメントの参加人数
- 前期でランクインしたPGRランカーの数
- アメリカで開かれているかそうでないか
まず最初に上の➀と➁でそれぞれ点数をつけ、より高い方を基本となるポイントとします。
➀の参加人数はシンプルで、参加人数を2倍したものがポイントとなります。つまり1000人の大会であれば2000ポイントです。
➁は少し複雑で、PGRのランキングによってプレイヤーがそれぞれポイントを持っており、それの合計点数となります。
ちなみにランキングの順位帯におけるポイントは以下のようになっています。
- 1位~5位 224ポイント
- 6位~10位 128ポイント
- 11位~20位 96ポイント
- 21位~30位 80ポイント
- 31位~50位(Area51) 64ポイント
1位~10位までのランカーが勢揃いしたら、10人で1760ポイントになり、1位~50位までのプレイヤーが勢揃いすると4800ポイントとなります。
この➀と➁でポイントの大きい数値に対して、アメリカであれば据え置き、アメリカ以外であれば1.25をかけたものが最終的なポイントとなっています。
またシーズン3からは日本以外は1.25よりさらに大きな補正がかけられるとの情報も出ています。
ここで出した最終的なポイントの数値がいくつになっているかよって、大会のランクというものが決定します。ちなみに基準は以下になります。
- 400~599 C-Tier
- 600~1199 B-Tier
- 1200~2399 A-Tier
- 2400~4800 S-Tier
これからわかることはいくつかあり、1つは同じS-Tierの大会でも例えば「EVO2019」と「TBH9」、「Kongo Saga」では勝った際に手に入るポイントが違うということです。
他にも、日本の主催者がC-Tierとして認められるために目指すべきポイントは400であり、それを満たす参加人数は400/2/1.25の160人であることもわかります。
また同じS-Tierの大会でも2400ポイントと最大の4800ポイントでは大きく離れており、あくまでランクはわかりやすい指標の1つに過ぎないこともわかってきます。
例外としてポイントがつかない大会もあり、それはいわゆるウィークリーと呼ばれる闘龍門のような大会です。
これはPGRランカーが多い地域でポイントの高い大会が乱立するのを防ぐための措置として導入されていると想像しています。
ランカーを集めて日本で開く大会の理論値は
ここまで読んできた方であれば、日本でPGRランカーを全員集めたらどれくらいの大会になるか気になる人もいると思い計算してみました。
今シーズンPGRUにランクインした日本人プレイヤーの順位とポイントは以下のようになります。
- 7位 Zackray 128ポイント
- 11位 Kameme 96ポイント
- 12位 Tea 96ポイント
- 13位 Shuton 96ポイント
- 15位 T 96ポイント
- 16位 KEN 96ポイント
- 17位 Raito 96ポイント
- 18位 Kuro 96ポイント
- 19位 ProtoBanham 96ポイント
- 21位 Lea 80ポイント
- 24位 Abadango 80ポイント
- 25位 Kome 80ポイント
- 26位 Choco 80ポイント
- 27位 Nietono 80ポイント
- 29位 Gackt 80ポイント
- 34位 Etsuji 64ポイント
- 35位 Umeki 64ポイント
- 41位 HIKARU 64ポイント
- 48位 Kirihara 64ポイント
- 50位 Ron 64ポイント
- Area51 Eim 64ポイント
合計して1.25を掛けると2200ポイントであり、21人だけでS-Tierにかなり近いA-Tierの大会を開くことが可能となります。
さらに言うなら21人全員参加で、海外のPGRランカーのトップ10からさらに1人参加してくれれば22人でS-Tierの大会に届いてしまうと考えるとすごいですね。
その他の指標について
今回のPGRUの動画を見た方は気づいたと思いますが、PGRUを出す際にはポイント付きの大会における成績とは別に「Notable Win/Lose」という指標が用いられています。
意味を直訳して考えると、「誰に勝って誰に負けたか」というのがランキングにおいて非常に重要な指標として扱われています。
もっとわかりやすく言うと、PGRUの上位プレイヤーにどれだけ勝ち負けしており、また下位やランク外のプレイヤーにどれだけ勝ち負けしているかということです。
この「Notable Win/Lose」という指標が、PGRUの最終的なランキング結果に大会の結果に対してどれほど影響するか、私が探した限りでは見つけられませんでした。
しかしながら、今期の結果を見る限りでは上位のプレイヤーに勝利したことがそれなりに高い影響を与えて、順位に反映されているように感じました。
また逆に、PGRUランク外のプレイヤーに負けたマイナス点もそれなりについていると推測されます。参考までにMkLeoは、今シーズンランク外のプレイヤーに対して無敗でした。
これらのことから言えるのは、優勝したり、また早期敗退した場合でもその大会で誰に勝ったか、誰に負けたというのが1つ重要な指標となっているということです。
補足ですが、ここでいうPGRUランクとは、前シーズンのランキングではなく今のシーズンの最終的な順位のランクとなります。
そのため、誰に対して勝ち負けしたかという結果が、最終的にどのように影響するかはシーズンが終わってみないとわからなくなっているところも面白いところです。
個人的な見解としては、日本はPGRUランク外強豪の割合がアメリカに対して高いため、この指標はよっぽど抜けているプレイヤー以外は不利に働くのではと想像しています。
今後のPGRUについて
先日Twitterでにわかに話題となっていましたが、次のシーズンのPGRUからは、これまでに説明した指標以外にパネリストの点数が反映されるそうです。
今までもX-Factorという、有識者が予想した順位との差というものは出ていましたが、次のシーズンからはそのX-Factor相当の評価が直接順位に関わってくるのではないでしょうか。
これに関しては現在詳しい情報を集められていないので今後の動向に期待していますが、パネリストの視点が優秀であることを祈っています。
最後に
最近何かと話題になるPGRUについて解説してみましたがいかがだったでしょうか。
ランキングだけが重要じゃないことは勿論重々承知なのですが、ゲーマーとしてはやっぱりランキングというものは気になってしまうのも事実です。
これを読んだ人が、今後の大会結果を見る際により色々な目線で楽しめるようになってくれれば幸いです。
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